ハマったね
今週のお題「2019年買ってよかったもの」に応募
以前に、東京は秋葉原にあった、石丸電気レコードセンターで買い物をした話を致しました。そう、1976年から10年以上、LP買いまくり時代でしたね。結婚前のルピナスと一緒に行って、赤い大判のビル・エヴァンス(ジャズピアノのひとね)リバーサイド盤LP○○枚全集なんて買って、電車で帰るのはとても重いので、新宿にクルマを停めておいて積んで帰った、なんてことがありました。その時車を置いていた甲州街道沿いのほんの小さなパーキングは、いま、バスタ新宿の一部になっていますね。
ジャズの方は、過去の名盤を求めていましたが、クラシックの方は、反対に新譜、あたらしい録音、ひたすら追い求めていました。録音状態第一で、過去の名指揮者、たとえば、フルトヴェングラー、ワルター、トスカニーニなど、避けていました。クレンペラーなんかも。その頃は、カラヤンもカール・ベームも健在でしたし。
それがですね、最近、ここ、10年くらい、変わってきているんですよ。
CD時代になって、特に今、CDが売れないでしょ、みんな曲のさわりだけSNSで聴いて、その部分だけ取り込んで、お金かけないからね。時代に関係なく書くと、2500円のLP、はしりのころ、3500円だったCD、(うちにあるやつだと、アシュケナージとフィルハーモニア管弦楽団のモーツァルトの協奏曲は35でしたね)3000円均一に近い、国内アーチストのCDが、クラシックの全集になると数枚組で4000円台とか、安いんですよね。
それと、CD復刻の際に、今の最新技術と、耳と腕の良いチュウナーさんのお仕事の結果、LPの昔よりもはるかに聞きやすいものに仕上がっているように思うんですね。あと、アマゾン等のネット通販に、そういった良い商品が出品されていることも大きい。ジョージ・セルとクリーブランド管弦楽団、私の幼少期の録音だけど、いいエッセンスをしていて、この指揮者、こわいだろうなあと感じられる端正なベートーベンやブラームスを聞くことが出来ます。
あたしも、年取ったのかもしれないけどね。
そんなことしの後半は、ブラームスのドイツレクイエムとつきあうことになりました。準備したCDは、どれが良いのか分からなくて、アンノンクール+ウイーン・フィルのもの、そのあと追加したのが、カルロ・マリア・ジュリーニ+ウイーン・フィル(だったかな?)そして何故かここに、オットー・クレンペラー+フィルハーモニア管弦楽団のがやってきました。
かなり長いことアンノンクール盤を聴きつつ、3曲目あたりであっけなく睡眠薬、にぎやかな2曲目と6曲目が長すぎて少し飽きて、結局全貌がつかめない、そんな日々でしたね。ところが、ジュリーニさんですこしづつ、頭の中が整理されてきて、クレンペラーで、明確にはっきりと。してきたんですよ。ブラームス。
裏を見ると、録音が1961年、あたしと同年齢の、もう半世紀以上まえの演奏で、21世紀の演奏とは時代が違う部分、あるんだろうけれど、やや残響の長いホールで、合唱団がもうめいっぱい歌っている部分も、ゆっくりゆっくり進行していく部分も含めて、聞いているだけで、むかーしの、白黒の、クラシック音楽映画、重厚なやつの光景が目に浮かぶんですわ。
曲にも、合唱にも、ハマりました。ありがたいことです。