黒やぎの(てくてくわくわく 街道ウォーク)番外編

ふとした事から街道ウォークの付き人になった黒やぎのひとりごとです。ルピナス主宰の(てくてくわくわく 街道ウォーク)(http://kaz-mt-wisteria.hatenablog.com/)とあわせて見てくださいね

漫画はそんなに好きではないけれど

漫画はそんなに好きではないけれど。でも、一度読んだ漫画は結構よく覚えています。

高井研一郎 サラかん

その頃読んでいた週刊誌に、「サラかん」という漫画があって、連載中はずっと読んでいましたネ。プロ野球セントラルリーグに所属する万年最下位の架空球団、日暮里パイレーツにある冴えないサラリーマンが(監督として)やってきて、「ほれ、サラかんさん、こうやんのや」とかいわれながら、何故かチームが強くなって、最後はリーグ優勝して、という話。ヘッドコーチが、関西弁の丸出しのせこい男で(長嶋の生涯本塁打444本の半分、222本もの生涯本塁打記録を持つ男)(ちなみにパイレーツでは大物OBらしい)ちくちく監督を口でいじめるのですが、そんなことはちっとも気にしない、いい意味での鈍感力のある監督で、ながいながい紆余曲折を経て、リーグ優勝し、日本シリーズではパ・リーグの覇者、金鉄に負けて、潔く監督を辞任する、そんな話でした。

本にもなったのですが、販売期間が短かったのか、手に入れることが出来ませんでした。残念だったな。

田河水泡のらくろ

あたしはそんなに老人ではないので、少年倶楽部のらくろは知りません。昭和50年代、旺文社文庫で発売されたのらくろ、全4巻?の読者です。とにかくこの漫画、話の筋がおもしろい。のらくろは、どんなに偉くなっても、独自の視点で、自分で考える。必要とあらば、単独で斥候に入る、鋭いので、敵の動き、思惑が手に取るようにわかるところがいい。上官たち、とくにブル連隊長は、よく働き機転の利くのらくろのことを全面的に信頼していて、バックアップを惜しまない。(油断をするな)(弱いものほど毒ガスを使いたがるものだ)(無学な奴はかわいそうだな)などと名言も多く、少年が読んだら感動するとおもうね。いま、こういう本が手に取って読めないのは不幸だよ。

長谷川町子、いじわるばあさん

朝日新聞サザエさんの連載を知っている年代です。子供の頃、ポストから朝刊を取って来て、台所に来るまでの間に3面記事の左隅最上段にある四コマ漫画サザエさんを歩きながらパパっと読んだ年代。でも、漫画の内容はいじわるばあさんのほうが、何倍も濃いと思う。いじわるばあさんだけは、当時の姉妹社発行の単行本も、いまの文庫本も確か手元にあると思いますが、キャラクターがはっきりしていて面白い。ふりまわされる長男の嫁ミチコさん、小規模病院を経営し嫁や看護婦に振り回されている次男、ちゃらちゃらした漫画家の三男、この三軒を家を回遊しながら、(さー、きょうはどんないじわるをやるか?やったるぞー)と燃える知能犯の意地悪ばあさん。近所の愛犬家の奥さん、(いましがたまで、ダンケ(犬)がここらにおりましたのに・・)(心配ですね私もご一緒に)(ダンケ、ダンケ、お食事よ)と上品な愛犬家の奥さんが野原に向かって叫ぶこっちで(駄犬、駄犬、粗食事よ)と暗に愛犬家をからかうせりふがいい。

いじわるばあさんの家に挨拶に来たおいだか孫だかに(立派に社会人になったアンタにあたしからのはなむけ)お祝い袋を。中身も見ずにこの青年は友人たちと(呑みに行こう)キャバレーで散財。お祝い袋の金で支払いをしようとすると中身は現金ではなく(まず、うたぐってかかれ)というメモ一枚だけ。

そのほか、健康診断でお小水を持って来いと言いながら、どのくらい持って来いとまでは言わない医者の不親切とか、悪質な乗車拒否だ、と、いじわるばあさんにタダで乗せろと言われて断ったのに検挙しようとする、正義を一面でしか振りかざせない警察官だとか、バカとか権力者を軽く笑っているところが、とてもいい。いじわるばあさんを最初に読んだのは小6くらいでしたが、今でも長谷川町子の最高傑作だと思います。

漫画の基準は、絵がきれいで読みやすいこと、筋がおもしろいことにつきます。長谷川町子田河水泡高井研一郎が好きなのですから、まったく漫画読みではありません。活字の方が得意です。